部埼灯台（北九州市）・福岡地域別探検

部埼（へさき）灯台

◆◆◆◆◆　部埼灯台（へさきとうだい）　◆◆◆◆◆

　１日に千隻以上の船が出入りするといわれる関門海峡の、東の玄関口に当たるこの部埼（へさき）灯台は、慶應３年（1867年）４月、幕府が兵庫開港に備えて英国公使と約定した５灯台（友ヶ島、江崎、和田岬、六連島、部埼）の一つです。　英国人技師Ｒ・ブラントンの設計によって建設された重厚な石造りの灯台で、明治３年１２月に起工し、同５年１月２２日に初点灯しました。九州で３番目、日本で１５番目に建設された灯台で、九州に現存している洋式灯台では、今は一番古い灯台です。

　当初の灯光は三等不動レンズによる「不動光」であったが、明治２８年にフランスから輸入した回転式のレンズに改められ、この複雑なレンズ構成の回転式レンズは今日まで「連続不動閃白光」を発し続けています。新選組がチャンバラしていた幕末から、わずか５～６年後に造られた灯台が今も現役で、明治２８年に輸入したレンズで動いていることに驚きます。白御影石造りの灯塔や付属建物は、１２０年余を経た今なお明治の面影を留めています。

なお、この灯台は平成１０年（1998年）に第５０回灯台記念日の行事として、投票によって選ばれた「あなたが選ぶ日本の灯台50選」に選ばれています。ほかに九州・沖縄で選ばれているのは白州灯台（福岡県北九州市）、水ノ子島灯台（大分県佐伯市鶴見）、大瀬埼灯台（長崎県五島市）、女島灯台（長崎県五島市）、都井岬灯台（宮崎県串間市）、佐多岬灯台（鹿児島県南大隅町）、平安名埼灯台（沖縄県城辺町）などです。

　部埼（へさき）灯台は門司区の東海岸の瀬戸内海側に建っています。このページの下部の関連リンクにあるマピオンの地図を参考にして下さい。
白野江植物公園近くから海岸沿いの道路に入り、網の鼻を通り部埼（へさき）地区に至る。途中には砕石場などがあり道も悪い、特に灯台近くの道は未舗装であり、灯台より約２００ｍ手前えで「関係者以外車両進入禁止」になっています。(2004/11/22現在）ここで車を降り歩くことになります。海沿いに鉄筋コンクリート造りの２階建ての建屋がありますが、この建屋の左より灯台に登る道があり、約５分で灯台につきます。
ここには灯台とともに、関門海峡を航行する船舶に早鞆瀬戸の潮流の状況を知らせる電光表示板（部埼潮流信号所）が設置されています。

《部埼（へさき）灯台のデータ》
・灯台の位置
　　北緯33度57分22秒　東経131度1分31秒
・灯台の高さ
　　地上～頂部 9.7m　水面～灯火 39.1m
・灯級…三等小型
・灯質…連続不動閃白光毎１５秒に１閃光
・灯台光度…閃光18万不動光７千カンデラ
・光達距離…17.5海里（約32Km）

僧清虚（そうせいきょ）について

　部埼灯台の下の海岸にタイマツを右手にもった立像が建っています。この人は清虚（せいきょ）という人で、今の部埼（へさき）灯台が無い時代に灯台の代わりに燈明を焚き続け船の安全を図った人です。現地の説明文には下記のように書いてありました。

　この部埼（へさき）はその昔、狐埼、念仏埼と呼ばれた航海の難所でした。天保７年（1837年）大分県国見市の竹田津港から下関経由で高野山に向かう途中、便船に乗りあわせた旅僧清虚（俗名太兵衛…大分県国東市国見町出身）は船客が数珠を手に念仏を唱えるのをみて何とかこの難所から多くの人命を救おうと燈明台を建て火を焚き続けることを決心。船頭に頼んで青浜に上陸しました。山の中腹にて１３年間の長い間、雨の日も風の日も読経とともに燈明の火を絶やさず焚き続けたのです。

　清虚（せいきょ）は日中の托鉢で得た糧は焚料にし、１日１食の生活を続けました。これを見た人々は一食坊主、乞食坊主とさげすみましたが、それもいつしか村人の心を動かしはじめ、舟人達も協力するようになりました。
　清虚（せいきょ）は７４歳で村人達が見守る中で世を去りましたが、村人の利三郎により燈明の火を焚くことは、その後も１１年間続けられました。その後、さらに庄屋に受け継がれ、明治５年に洋式灯台ができるまで火は焚き続けられました。
　この僧清虚（そうせいきょ）の立像は清虚（せいきょ）の偉業を後世に伝えるために、昭和４７年に有志により建てられたものです。なお、清虚（せいきょ）の墓は青浜の墓地にあるようです。

部埼（へさき）灯台周辺マップ（マピオン）　地図の中央 '+' あたりが「部埼（へさき）灯台」の位置です。

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  ＊インフォメーション
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    ■第七管区海上保安本部　　093-321-0556 … 関門航路標識事務所 (TEL 0832-66-4003)
    ■北九州市観光課　　　　　093-582-2054
    ■北九州市観光協会　　　　093-541-4151