大己貴神社　おおなむちじんじゃ（福岡県筑前町）・福岡地域別探検

日本で一番古い神社説

　大己貴神社が１１００年以上の歴史のあることは延喜式に書かれているので明らかです。しかし延喜式には２８６１社も書かれているので、これだけでは日本で一番古い神社ということにはなりません。
まず、言い伝えの神功皇后が創建したとなると西暦200年ころの話ということになります。しかし、この神功皇后がどうのこうの、という話も多くの神社の社伝に出てくる話であり、これとて驚くに値しない話です。しかし、この神社が相当古いと言われるのは次の話です。

　それは日本の国造りの伝説の話になります。九州の勢力が近畿の大和地方に移り、日本の国造りの中心勢力となったという「大和東遷説（やまととせんせつ）」です。この説を裏付けるように旧・三輪町と奈良県桜井市三輪には同じ地名が多くあるとのことです。これは、この地方の勢力が大和に移り、なつかしんで出身地の地名を付けたのであろうと言われているのです。これが正しいとするなら、日本の国造りの本家本元はこの旧・三輪町近辺ということになります。この説は全くの絵空事では無いようで、最近、学者先生が多くこの大己貴神社を訪れているとのことです。

　現在、日本最古の神社と言われているのは奈良県桜井市三輪にある大神（おおみや）神社です。この神社は大和朝廷の守り神であったようです。この神社の御祭神は大物主大神（おおものぬしのおおかみ）で配祀は大己貴神（おおなむちのかみ）と少彦名神（すくなひこなのかみ）です。ここに出てくる地名や神名もこの旧・三輪町の大己貴神社と共通点が多いのです。これらも大和に移った勢力が出身地の神社を分霊して造ったのではないかと言われています。これが正しいとするなら奈良の大神（おおみや）神社の元宮はこの大己貴神社ということになり、この大己貴（おおなむち）神社こそが日本最古の神社ということになるのです。これらの話にどの程度の信憑性があるのかは分りませんが、多くの謎とロマンを秘めた神社ではあります。そのうち学者先生が明らかにしてくれると思います。

＊インフォメーション　　■大己貴神社　　　　0946-24-5805 　　■筑前町役場　　　　0946-42-3111 　　■三輪商工会　　　　0946-22-3724 ＊アクセス ■西鉄バスで三輪町役場近くの新町下車、そこから秋月方面に徒歩で約３０分