元町石仏
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平安時代後期,この地方は宇佐神宮領の[勝津留畠]といわれた場所であり,近くに岩屋寺石仏があり,この石仏と対をなしていたようです。天喜2年(1054)及び康平2年(1059)の条に[南石屋寺際限]または[南限石屋寺前]と記載があり,11世紀中頃(藤原時代中期)には岩屋寺石仏は存在していたようです。ということはこの元町石仏もその時代の作であろうと推測されています(12世紀:平安時代後期の説もある)。[豊後国志]などでは百済の僧,日羅の作と記していますが伝承にすぎず信憑性が薄いようです。
薬師如来坐像は頭部に大仏のようなブツブツ(これ螺髪(らほつ)というようだ)を有し,童顔を思わせる端正で穏やかな顔立ちなどにすぐれた彫刻の技を見ることができます。柔らかい凝灰岩に彫られた磨崖仏は長年の風化で損傷が進み,これを防ぐために岩面を強化する合成樹脂の含浸などの対策を行っているそうです。そのせいか石仏の表面がテカテカしているのが安物のプラスチックのようで好ましくないですね。
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