田中天満宮（朝倉市秋月）・福岡地域別探検

　田中天満宮は秋月の町はずれにひっそりとあります。田中天満宮は秋月黒田藩の前の時代の秋月氏の時代（西暦1600年より前の時代）に古賀平左衛門という人が屋敷内に天満社を祀ったのがはじまりで、その後、黒田長興が島原出陣に当たって武運長久を祈願するために、今の場所に島原の方向に向けて建てなおしました（西暦1664年頃）
筑前国続風土記（1709年完成）にも田中天満宮の事が「社地高潔にして風景ことに好し」と記されているそうです。また、明治９年１０月の「秋月の乱」の時に旧秋月藩士宮崎車之助ら400名が神風連に続けといって蜂起し、集合した場所です。

秋月の乱

　明治維新の初期の段階では、新政府は国内の治安を維持し、また外国とも肩を並べていくためには、武士たちによる軍隊では力不足であると考え、西欧の徴兵制の導入を決定しました。そこで武士たちの特権は取り上げて（廃刀令・全国民への苗字許可など）、全ての国民層による軍隊を作ろうと考えたのです。
それまで藩からもらっていた給料ももらえなくなり、武士の魂としていた刀も召し上げられてしまいました（廃刀令は明治９年３月）。武士達には明治政府は「けしからん」と大きな不満が起こりました。

　そして武士たちの怒りが爆発したものが熊本・神風連の乱（明治９年１０月２４日）であり、ここ秋月の乱（明治９年１０月２７日）でした。旧秋月藩士宮崎車之助ら400名が神風連に続けといって蜂起し、集合したのが、ここ田中天満宮です。しかし鎮台（当時の軍隊）が出動するとかなわないとみて大分方面に逃走、現地の士族たちに呼応を呼びかけますが応じる者もなく、結局小倉鎮台に鎮圧されました。

　この後、山口・萩の乱（明治９年１０月２８日）、鹿児島・西南の役（明治１０年　２月１５日）と武士による反政府暴動が起こりました。
ここ田中天満宮は幕末から明治初期に至る動乱期の歴史舞台となった場所なのです。右奥は推定樹齢４００年のイヌマキであり、明治動乱期の秋月城下の動向を静かに見つめてきた木なのです。

田中天満宮周辺マップ（マピオン）　地図の中央 '+' あたりが「田中天満宮」の位置です。

朝倉市の公式ホームページ

秋月観光協会のホームページ

  ＊インフォメーション
　　■秋月観光協会　　　0946-25-1335
　　■朝倉市役所　　　　0946-22-1111（代）
　　■甘木市観光協会　　0946-24-6758