美女塚
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昔,豆酘(つつ)の天神山の麓に鶴王という美しい娘がいた。年老いた母親をとても大事にし,村一番の働き手でもあったので,誰言うとなく[美しい孝行者の鶴王御前]とよぶようになった。鶴王御前の評判が,やがて都に伝わり采女(うねめ)として召し出されることになった。
老母を残しての旅立ちに心を痛めた鶴王は,輿をこの村境の[トンモト山]の丘にとめ,役人に急に小用がしたいといって,道より少し離れたやぶの中に入り舌をかみ切った。真っ赤な血にそまり,息もたえだえに[美人に生まれたが故に,こんな悲しい思いをして死なねばならない。どうか,いまから,豆酘(つつ)には美人が生まれないようにお願いします]と言って息絶えた。
村人達は,薄幸な美しい孝行娘鶴王の死を哀れみ,この場所にねんごろに葬り,その上に平石を立て墓石としたという話である。
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